学長室だより

ダビデの物語・ダビデの台頭史その3

神の指示により、サムエルはベツレヘムに向かいます。町の長老たちは「おいでくださったのは、平和なことのためでしょうか」と尋ねています(サムエル記上16章4節)。ペリシテとの全面対決の時代、ユダ部族はペリシテの圧力下にありました。イスラエルを率いてきたサムエルが訪ねてきたので、戦闘に巻き込まれることを恐れたのです。「平和なことです。主にいけにえをささげに来ました」と彼は応じています(5節)。
サムエルは、エッサイの息子たちに身を清めさせいけにえの会食に招きます。彼らが前を通るたびに、神が選んだ人はこの子かもしれないと思うのですが、「容姿や背の高さに目を向けるな。……人間が見るようには見ない」と神はサムエルに語りかけています(6節~7節)。7人の息子が前を通ったのですが、誰も選ばれなかったのです。主なる神は、その人の心を見るというのです。
「あなたの息子はこれだけですか」とサムエルはエッサイに尋ねます。「末の子が残っていますが、今、羊の番をしています」と答えると、「彼を連れてこさせてください」と頼んでいます。連れてこられたその子は、血色が良く、目は美しく、姿が立派であったと伝えています(12節)。