羊飼いの少年
ライオンの餌食になった羊をその口から取り戻したことのある少年の一人が、あのダビデであったことはよく知られています(サムエル記上17章34節~37節)。彼がイスラエルの歴史に登場するきっかけになったのは...
ライオンの餌食になった羊をその口から取り戻したことのある少年の一人が、あのダビデであったことはよく知られています(サムエル記上17章34節~37節)。彼がイスラエルの歴史に登場するきっかけになったのは...
野の獣が人を襲うこともありました。これは殺人ではないのですが、獣からも流された血の償いを求めると神は宣言しています(創世記9章5節)。現在のような砂漠地帯(イラク)でなく、古代メソポタミアは乾燥化が進...
犯人不明の殺害遺体が見つかった場合、人々は呪いが到来したと受け止めたのは、罪なき血を大地が飲み込んだと理解したからです(創世記4章10節)。大地が呪われてしまうと地の実りも呪われたものとなる、それが古...
古代社会では、裁判ができない殺人事件も起こりえました。殺害された人の遺体が野原で見つかったが、犯人が分からない場合の処理について、申命記が規定しているからです(21章1節~9節)。罪なき者の血が大地の...
「目には目を」は、同害報復の形で加害者の責任を明示したものでした。他方「命には命を」の原則が存在したのは、古代社会に血の復讐という慣習が残っていたからです。殺人は死罪ですが(ウル・ナンム法典1条、出エ...
「目には目を」は、古代メソポタミアでは、復讐の拡大を防ぎ、他人に危害を加えると、金銭でなく自分の肉体をもって同じ害を償うことを義務づけ、自由人に尊厳ある行動を勧めるものでした。旧約聖書も同じ文化(レビ...
裁判員制度にちなんで法に関わる題材を選んできましたが、語り落としてはならないものに復讐法と誤解されているタリオ(同害報復刑)があります。 表題の言葉は復讐を合法化するものではありません。報復を勧める格...
神とイスラエルの契約だけで、聖書の契約思想を語ったことにならない。時空を超えた契約思想は、より深められ精神化されるに至ったからである。 預言者エレミヤは、前587年に国が滅亡する頃エルサレムで新しい契...
モーセを仲保者として神がイスラエルとの間に結んだ契約は、その世代だけのものではなかった。申命記29章13節~14節でモーセは「私は、あなたたちとだけこの契約を結びこの誓約を交わすのではない。今日われわ...
契約は祝福と呪いを伴っていた。契約を守る者には祝福が、契約を踏みにじる者には呪いが宣言されている。申命記には「あなたは町にいても祝福され、あなたが畑にいても祝福される。あなたの胎の実も、あなたの土地の...