ルツとナオミ・その9
大麦と小麦の刈り入れが終わるまで、ルツはボアズの畑で落ち穂を拾うことができたのです(ルツ記2章23節)。古代メソポタミアの法には、落ち穂拾いに関する条項がありません。収穫時に他人の穀物畑に立ち入ると、...
大麦と小麦の刈り入れが終わるまで、ルツはボアズの畑で落ち穂を拾うことができたのです(ルツ記2章23節)。古代メソポタミアの法には、落ち穂拾いに関する条項がありません。収穫時に他人の穀物畑に立ち入ると、...
ボアズの名を聞いてナオミは「その人はわたしたちと縁続きの人です。わたしたちの家を絶やさないようにする責任のある人の一人です」(ルツ記2章20節)と語っています。霊感に打たれたようにナオミが感じたのは、...
ボアズがルツに示した思いやり(ヘセド)は、思慕に近い気持からではなかったのです。未亡人であるにせよ、ルツは義母のナオミに従ってベツレヘムに渡ってきた女性ですから、レヴィラート婚の慣習から言えば、まだナ...
ルツが再び落ち穂を拾い始めようとすると、ボアズは「麦束の間でもあの娘には拾わせるがよい。止めてはならぬ」(ルツ記2章15節)と若者に命じています。「麦束の間」という言葉に疑問を感じないかもしれません。...
ボアズは言葉だけでルツを慰めたのではありません。食事の時、ボアズはルツに声をかけ「こちらに来て、パンを少し食べなさい」と語りかけているからです(ルツ記2章14節)。更に「一切れずつ酢に浸して」と語るボ...
のけ者にされる覚悟でいたルツは、畑の主人の言葉に驚き、地面にひれ伏し「よそ者のわたしにこれほど目をかけてくださるとは。厚意を示してくださるのは、なぜですか」と尋ねている(ルツ記2章10節)。苦しみの連...
ルツは落ち穂拾いに出かけますが、たまたまそこはボアズという人が所有する畑地であったと聖書は記しています(ルツ記2章1節)。彼はエリメレクの親戚の一人でした。神の不思議な導きで、ちょうどその折に畑の主人...
ナオミがルツを伴ってベツレヘムに帰ってきた時、町の人は驚きました。ナオミさんではないですかと声をかけられた時、彼女はナオミ(「わたしの歓び、快い」の意)と呼ばないで下さい、全能者がわたしを不幸に落とさ...
旧約聖書にルツ記という美しい書があります。ルツ〔「友」の意?〕はナオミ〔「わたしの歓び」の意〕にとって嫁でした。ナオミは夫エリメレク〔「神は王なり」の意〕と共に、飢饉で荒れた故郷を離れ、二人の息子を伴...
男子には名を残す責任がありました。本人が子を残さず死んでしまった場合を避けるため、レヴィラート婚(義兄弟婚)と呼ばれる制度があったのです。夫に先立たれた妻をその亡夫の兄弟が娶り、名を継ぐべき子をもうけ...