雄の初子に関わる規定
犠牲を捧げる伝統はどの世界にもみられます。初子を神に捧げるという儀礼は、古代イスラエルにも存在していました。 申命記には「あなたの牛の群れや小家畜の群れで生まれたすべての雄の初子を、あなたはあなたの神...
犠牲を捧げる伝統はどの世界にもみられます。初子を神に捧げるという儀礼は、古代イスラエルにも存在していました。 申命記には「あなたの牛の群れや小家畜の群れで生まれたすべての雄の初子を、あなたはあなたの神...
肉食の世俗化に続いて、食物規定(申命記14章3節~21節前半)を取り上げてきましたが、「あなたは子山羊をその母親の乳で煮て〔食べて〕はならない」(14章21節後半・私訳)という禁令がすぐ後に続きます。...
食物リスト(申命記14章3節~21節)は、末尾で「羽があって群棲するもの」(19節)に触れています。これら昆虫類については、ほとんどが穢(けが)れたものとされていますが、「すべて清い羽のあるもの」(2...
食べてもよいものと、忌み嫌うべきもののリスト(申命記14章3節~21節等)は、動物の他に水の中にすむもの、魚類にも触れています。 食べてもよいのは、すべてひれと鱗があるもの(9節)で、ひれと鱗がないも...
血のしたたる牛肉を退け、血抜きの処理をしてから食べる慣習は現在でもユダヤ人社会で守られています。アメリカのスーパー等では、正しく処理した牛肉の売り場が特設されています。モーセの戒めを2千年以上も守って...
人の血が大地に流されると、呪いが到来したと人々が思ったのは(創世記4章10節、申命記21章1節~9節)、血がいのちであるという前提があったからです。この理解は、人間だけでなく家畜にも当てはまりました(...
ライオンの餌食になった羊をその口から取り戻したことのある少年の一人が、あのダビデであったことはよく知られています(サムエル記上17章34節~37節)。彼がイスラエルの歴史に登場するきっかけになったのは...
野の獣が人を襲うこともありました。これは殺人ではないのですが、獣からも流された血の償いを求めると神は宣言しています(創世記9章5節)。現在のような砂漠地帯(イラク)でなく、古代メソポタミアは乾燥化が進...
犯人不明の殺害遺体が見つかった場合、人々は呪いが到来したと受け止めたのは、罪なき血を大地が飲み込んだと理解したからです(創世記4章10節)。大地が呪われてしまうと地の実りも呪われたものとなる、それが古...
古代社会では、裁判ができない殺人事件も起こりえました。殺害された人の遺体が野原で見つかったが、犯人が分からない場合の処理について、申命記が規定しているからです(21章1節~9節)。罪なき者の血が大地の...