ルツとナオミ・その24
「一族エリメレクの所有する畑地」という言葉から、土地が私有財産であったとみなすことはできません。古代イスラエルでは、土地の私有化は制度として成立しなかったからです。土地は部族内に限りその権利を売ること...
「一族エリメレクの所有する畑地」という言葉から、土地が私有財産であったとみなすことはできません。古代イスラエルでは、土地の私有化は制度として成立しなかったからです。土地は部族内に限りその権利を売ること...
「ボアズは町の長老のうちから十人を選び、ここに座ってくださいと頼んだので、彼らも座った」(ルツ記4章2節)と聖書は語ります。町の長老たちがこの集会の責任を担っていたのです。地域共同体に中央から裁判官が...
ルツを家に帰した後、ボアズは時を移さず行動を起こしています。麦打ち場から町に戻り、門のところへ上っていったと聖書は語ります(ルツ記4章1節)。町の門の内側に広場が設けられていました。当時それがすべての...
人の見分けのつかない早朝に立ち上がったルツに、ボアズは大麦6杯をはかって彼女の肩掛けの中に入れ、ルツに背負わせ、町に帰らせたと聖書は語ります(ルツ記3章14節~15節)。ナオミのところに無事に戻ったル...
町のおもだった人がルツを「立派な婦人であること」を知っていたと伝えています(ルツ記3章11節)。「立派な」の原語はハイルで「力、能力、富、軍勢」などの意味があります。ギッボレー・ハイル(「勇士」の意)...
ボアズはルツの申し出を受けいれたのですが、レヴィラート婚という制度の枠内でどのように責任を果たせるのでしょうか。ルツを愛するという気持ちだけで、すべての問題を解決できるわけではないのです。 「今夜はこ...
ルツの告白は、彼女のひたむきな気持ちを表わしたものでした。「若者なら、富のあるなしにかかわらず追いかけるというようなことをしなかった」とルツのことに触れるボアズの言葉から(ルツ記3章10節)、彼がルツ...
ルツのひたむきな告白をボアズはどう受けとめたのでしょうか。「わたしの娘よ。どうかあなたに主の祝福があるように」と声をかけています。神の祝福を祈りつつ、「今あなたが示した真心は、今までの真心よりまさって...
「夜半になってボアズは寒気がし、手探りで覆いを捜した。見ると、一人の女が足もとに寝ていた。『お前は誰だ』とボアズが言うと、ルツは答えた。『わたしは、あなたのはしためルツです。どうぞあなたの衣の裾を広げ...
意を決して、ルツは麦打ち場に下っていきました。目立たないように居場所を確保し、祝いの宴をそっと見守っていたはずです。彼女のまなざしは、ひたすらボアズに注がれていました。 ボアズは食事をし、飲み終わると...