ダビデの物語・プロローグその4
エルカナは、毎年、家族を連れてシロ(エルサレムの北30キロ)に上り、いけにえをささげるのが常であったと聖書は伝えています(サムエル記上1章3節)。シロにはヤハウェの祭司エリ(「高い」「高く挙げられる」...
エルカナは、毎年、家族を連れてシロ(エルサレムの北30キロ)に上り、いけにえをささげるのが常であったと聖書は伝えています(サムエル記上1章3節)。シロにはヤハウェの祭司エリ(「高い」「高く挙げられる」...
サムエル誕生物語が、サムエル記上の巻頭を飾っています。時代が大きく変わる時代を、ある夫婦の物語から語り始めるのです。舞台は、カナンの地(現在のヨルダン河西岸地区)のほぼ中央に位置するエフライムの山地。...
ダビデをめぐる歴史伝承は二つあります。一つは「ダビデの台頭史」と名付けられているもので、他は「ダビデ王位継承史」です。前者は、ベツレヘム(「パンの家」の意)で生まれたダビデ(「愛する者」「司令官」(?...
古代イスラエルの法に関わる主題からルツ記を取り上げてきました。ルツとボアズから生まれたオベドは、ダビデの祖父にあたります。オベドからエッサイが生まれ、エッサイからダビデが生まれたことを記してルツ記は終...
主なる神はルツとボアズに祝福を授けました。愛のドラマが行き着いた結末が、子供の誕生でした。「ナオミはその乳飲み子をふところに抱き上げ、養い育てた」と聖書は語ります(ルツ記4章16節)。ルツから生まれた...
「ボアズはこうしてルツをめとったので、ルツはボアズの妻となり、ボアズは彼女のところに入った。主が身ごもらせたので、ルツは男の子を産んだ」と聖書は伝えています(ルツ記4章13節)。ナオミとルツのもとに出...
ルツを妻として迎え入れるというボアズの言葉は、神と会衆の前での宣言でした。「そうです、わたしたちは証人です。あなたが家に迎え入れる婦人を、どうか、主がイスラエルの家を建てたラケルとレアの二人のようにし...
「どうぞあなたがその人をお引き取り下さい」と告げて、親戚の男は履物を脱ぎボアズに渡しています。「かつてイスラエルでは、親族としての責任の履行や譲渡にあたって、一切の手続きを認証するためには、当事者が自...
親戚の男が「それではわたしの嗣業を損なうことになります」(ルツ記4章6節)と答えていますが、どういう意味でしょうか。嗣業とは、イスラエルの神から託された、先祖伝来の土地を維持管理する事業を意味します。...
「それではわたしがその責任を果たしましょう」(ルツ記4章4節)と親戚の人は答えています。即座に「あなたがナオミの手から畑地を買い取るときには、亡くなった息子の妻であるモアブの婦人ルツも引き取らなければ...