2002年12月20日号
今年も学生たちと一緒にE.M.フォスターの『インドへの道』を読みました。異文化を理解しようという善意と意欲があっても、異文化が自分を本当に受け入れてくれるとは限りません。この小説にいちばん強力な光をあ...
今年も学生たちと一緒にE.M.フォスターの『インドへの道』を読みました。異文化を理解しようという善意と意欲があっても、異文化が自分を本当に受け入れてくれるとは限りません。この小説にいちばん強力な光をあ...
夏目漱石は1900年から2年間ロンドンに留学中、チェルシーにあるカーライル博物館を4度も訪問しています。彼の小品「カーライル博物館」を読むと、漱石がカーライルを尊敬していたことがよくわかります。明治期...
「漱石」という雅号は、もともと彼の友人、正岡子規の数ある雅号の中から夏目金之助が借用したものです。中国の古典に由来し、「変物」という意味だそうです。では「鴎外」のいわれは?教室で学生諸君からの質問に答...
先週、工学博士であるM先生の講演を聞いていて、非常に考えさせられたことがありました。先生は言いました。「日本では親たちが子供にむかって、他人に迷惑をかけてはいけないと、繰り返し注意しますが、それでは、...
先週はオレンジ会主催の第三次訪米旅行団を案内して、本学の姉妹大学であるNorthwestern College と、その所在地であるアイオワ州オレンジ市を表敬訪問しました。公式訪問のあとの研修は、第一...
誰にも例外なく、父と母という2人の親があり、4人の祖父母があります。ぼくの場合、これら6人の近親が何歳まで生きたかを振り返ってみると、母方の祖母が80代なかばまで生きたのが最高で、現在73歳であるぼく...
開学12年目となる本学の図書館の書架の間を散策していて、ようやく大学図書館らしくなったなと、嬉しくなることがあります。先週ふと、50年前に同志社のアーモスト館で聞いた東大総長矢内原忠雄先生の内村鑑三に...
先週に引き続き、またも古い言葉を持ち出して恐縮ですが、「三尺下がって、師の影を踏まず」という諺があります。儒教文化圏では先生というものは、父母ならびに主君と同じレベルで尊敬すべきものとされていました。...
今頃ではめったに使われませんが、「私淑」(ししゅく)という言葉をご存知ですか。中国古典の『孟子』から出た言葉で、「尊敬する人に親しく会って教を受けることはできないが、その道を聞いて、ひそかにこれを模範...
「読書の秋」です。こういっても学生諸君にはぴんとこないかもしれません。日本人は伝統的に秋は読書の季節だと考えてきました。ぜひ、これはと思う本と取り組んでください。古典といわれるような文学、歴史、哲学の...