チャペルのひびき

たまたまに誠実に向き合って

アッセンブリ・アワーは、本学学生たちの活動報告の時として持たれました。能登半島地震で被災された方のためのボランティア活動に参加した竹内聖士琉さん(英語文化コミュニケーション学科)、クリスマスに病院で過ごさなければならない子どもたちに絵本を贈る活動をしているサンタプロジェクトの皆さん、最後に平和学習サークル「Keiwa Peace Project」(KPP)の皆さんが、自分たちが行った(行っている)活動について、その内容と課題、また今後の予定について、お話しくださいました。本学に入学したからこそ与えられた機会を捉え、それらの活動を通して、大きく成長する姿を頼もしく思いました。チャペルにおいては、ルカ福音書に記された「善いサマリア人のたとえ」において示された隣人愛について考えてみました。追い剥ぎに襲われ瀕死の同胞のユダヤ人の傍らを、たまたま通りかかった最初の2人は、想定外のできごとに立ち止まることをせず、見ぬふりをして通り過ぎてゆきました。けれども、最後に通りかかったユダヤ人にとっては天敵とも目されるサマリア人だけは、瀕死のその人を見捨てることなく、手厚く介護にあたったのです。心に留めるべきは、「たまたま」との言葉です。サマリア人だけは、たまたま遭遇したできごとに真摯に向き合い、瀕死のその人の「隣人」になっていったのでした。「たまたま」という言葉は、漢字で記すと「偶々」となります。偶然としか思えぬことを、自らの人生において起こるべくして起こった必然として、真摯に向き合うことを通して、人は人を助けうる。また、そのことを通して、私たちの人生も唯一無二のものとして導かれてゆくのでしょう。発表に当たってくださった皆さんも、それぞれに与えられた偶然の機会を必然と捉え直し、真摯に向き合われた方たちだと思います。(下田尾 治郎) 

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「たまたまに誠実に向き合って」 宗教部長 下田尾治郎 先生

Ⅱ. アッセンブリ・アワー
能登半島震災支援ボランティア 活動報告
サンタプロジェクトしばた 活動報告
Keiwa Peace Project~祈り・つながり・希望~ 活動報告

<参加学生の感想>
感想1) アッセンブリ・アワーの竹内さんの能登半島地震のボランティア体験談のお話を聞いて、とても考えることがあった。まず自ら行動して被災地に行くという行動力がすごいのはもちろん、その中でさまざまなことを考え、被災された方々にどう接したらよいのかと考えていることがとてもすごいと感じた。私自身は大学生活においてこのようなボランティアに行ったことがなく自分自身のことしかやってこなかったが、竹内さんのお話を聞いて少しでも人の役に立てる行いをこれからでもやっていこうと今回のアッセンブリ・アワーのお話を聞いて感じた。
感想2) 人生で出会う人や起こるできごとは全て偶然であるから感謝するべき、と教えられたことがある。実際に、たまたま助けてもらったり、手助けした人とよい関係を築けたことがある。一方で失敗したことや苦しいことなどは、必然として起こるべくして起こったのだから仕方ない、と自分を納得させ諦めていた。しかし、今日のお話を聞いて、よいことも悪いことも、それがたまたまであろうと必然であろうと、きちんと向き合うことで自分にとって意味のあるものになるのだと思った。自分が好意的なものや興味のあることには目が向きやすい。しかし、そうでない事柄とたまたま出合う機会があった時には、自分に関係することであり、新しい何かとのきっかけだと意識して、主体的に関わりたいと思う。また、嫌だと感じることでも、成長するチャンスであると考え、きちんと向き合うようにしたい。